この280ページの一冊の書籍を読み終えた時、
今までテレビやニュース、新聞で取り上げられた、
中国の出来事の背景の基礎的なポイントが抑えられる一冊となっています。
この書籍は、CDに例えるとベストアルバム!的な感じ。
ここを抑えておくと、取り敢えずはいいよね。
みんなの話にも着いてけるし今の時流がわかるし的な書籍です。
第一章から第五章の構成で、
各章別にQ&A方式で中国の素朴な疑問や、
今更聞けない質問、誰に聞いていいのか分からない質問などを、
カナリ冷静に偏りなく、疑問に対しての回答を述べています。
中国のモヤモヤして分からない事について、
ズバッと著者が回答しています。
第一章は、日中関係の論点 質疑10つ
第二章は、中国政治の論点 質疑19つ
第三章は、中国経済の論点 質疑15つ
第四章は、歴史問題の論点 質疑5つ
第五章は、中国文化の論点 質疑4つ
の5つの構成で、質疑数は全53つ。
第一章、日中関係の論点では、
「中国人はなぜそんなに日本人のことが嫌いなのでしょうか」と、
よくある、核心の質問から始まり、
「日本と中国にも仲が良かった時期があったのは本当でしょうか」
と、蜜月時代の事を紹介し、
「沖縄は中国のものだ、と主張する人がいるそうですが本当でしょうか」
と、聞き覚えの無い方も多い質問にもメスを入れています。
第二章から第五章の間でも、中々面白い質疑が盛りだくさん。
「中国の国家主席にも親日的な人と反日的な人がいるのでしょうか」
「中国は最終的にどこまでを中国領としたいのでしょうか」
「中国を好きな国ってあるのでしょうか」
「中国産食品の汚染などが問題になりますが、当の中国人は平気で食べているのでしょうか」
「チャイナマフィアは今も健在なのでしょうか」
「パクリ文化がひどいようですが、治る見込みはないのでしょうか」
「三国志の中国と同じと思えないのですが、古き良き伝統のようなものはないのでしょうか」
「中国人は幸せなのでしょうか」
「日本語を学ぶ中国人も多いそうですが、それはなぜでしょうか」
など、テレビのコメンテーターとしても、
よく拝見する機会が多い著者が、中国の取材力を活かして書き上げた一冊。
ちなみに、著者は過去に「小学館ノンフィクション大賞優秀賞」も受賞経験ありです。
中国に関わりのあるビジネスマンや、
これから赴任予定で中国の歴史や今の中国の右も左も分からない。
さて、どこから勉強すればいいんだろう。とお困りの方には、
まず手始めに読むには最適な書籍です。
まずは書籍内容を基礎情報として抑えて、
次の自分が感じ取った事と、この書籍の内容の差が生まれるかを、
実際に経験していく中で検証していけば、
全くのゼロの状態で未知なる中国と探り探り付き合うよりは、
何十倍も羅針盤となる一冊です。