今回は中国語の学習でまず覚えていて欲しい「普通語」についての基礎情報をご紹介。普通語って何?北京語と違うの?中国でテレビに字幕がある理由など普通語に関するお話しをご紹介したいと思います。

中国語を勉強している皆さんには「普通語」の知識は、当たり前なのかも知れませんが、上海で生活をして中国語をゼロから留学を始めた時、全く中国を理解していなかった愚かな私。

生活を始めた当初、街中で話されている言葉が全て「中国語」と呼ばれる、自分が勉強している「普通語」なんだ!と勘違いしていました。中国語の音が分かるようになるまで、どの音が「普通語」でどの音が「方言」なのか、理解するのも大変苦労しました。

もし留学や中国生活を控えている人がいるかも知れませんので、ちょっとだけ普通語についてのお話を。

中国語の普通語とは一体何?

まず普通語というのは日本で言う標準語の事。50年近く前に中国政府が制定した共通語を指します。

制定した理由の一つは中国が地理的に大きい国で、多様な民族が生活をしているという点が上げられます。

民族が違うとそれぞれに民族特有の言葉を持っています。例えば一つの国に、フランス語、スペイン語、ポルトガル語等、それぞれバラバラな言語を日常生活で使う民族が複数存在して生活をしているので、「共通で話せる言葉があったほうがいいよね。」という事で普通語なるものが制定された、と思っていいでしょう。

実際上海でも80歳などのご老人になると「普通語」を話すのは容易なことではなく「上海語」を話されます。

また地理的な大きさも非常に厄介。同じ漢族(漢民族)でも住んでいる地域、エリアが異なると、それぞれの方言が存在しています。

方言が異なると何を話しているかサッパリ理解不能。俗に日本に当てはめて中国の方言を例える事がありますが、日本人は基本的に大阪弁を聞いても、ある程度の内容は分かりますよね?

イントネーションが違ったり、「本当?」が「ほんま?」など、違いはあれども全体の流れから想像をすることができます。

しかし!!中国の場合は全くエリアが違うとサッパリ分からない。イントネーションが違う等の非ではないんですね。

そんな事があり共通語という全国民が使える言葉が必要だった。なので、普通語という考えが生まれたと思っていいでしょう。

国土が広い中国。テレビにも普通語の字幕付き

一度中国に旅行などで訪れた経験がある人だと、中国のTVを見たこともあるかも知れませんが、ニュースなどはリアルタイムなので例外として、ドラマやバラエティには普通語の字幕が必ず付いています。これも普通語を広める為の対策の一つ。

耳が悪い方にもTVの内容が分かる手段ですから良い対策ですね。普通語は一般的に北京や東北の地方で使われていた、言葉をベースにしていると言われます。さすが、北京。政府のお膝元。

普通語と北京語って違うの同じなの?

たまに「普通語」の事を「北京語」と表示している事がありますが、本来「北京語」という言い方は「北京の方言」を指すため、異なる音の言葉と思った方がいいです。

しかし私たち日本人からすると、北京語=中国語=普通語と、思ってしまうのもよく分かります。

中国語の教材で出てくる「儿化(ér huà)巻舌音化、r化」これ、実は北の地方の方言をベースにして作られているので、上海など華東地区など他のエリアでは、殆ど聞かれる事がない音。

北京や東北地方に旅行などで訪れた際に、この儿化の話し方を聞くと、あぁー北に降り立ったと実感する瞬間。

その位、地方で言葉が違うので、大学内のキャンパスにも、普通語を話そう!とスローガンがチラホラ書かれているのです。

慣れてくるとどの音が普通語、どの音が方言、どの音が訛った普通語という風に聞き分けができるようになりますよ。皆さんも沢山音を聞いて、是非聞き分けマスターになりましょう!

普通語の普及のために街にも溢れる普及活動

近所の大学キャンパスをお散歩中の出来事。キャンパスの緑が映える芝生内にこんな注意書きが。中国上海の大都会なのに書かれています。

请讲普通话 请写规范字!
qǐng jiǎng pǔ tōng huà qǐng xiě guī fàn zì
普通語を話しましょう。標準的な(模範的な)字を書きましょう!

普通語の表示看板

表示看板が刺さった芝生

普通語は中国の標準語ですが、多民族国家の中国。街にこのような普及告知は欠かせないのです。

今日の振り返り!中国語発声

普通话 (pǔ tōng huà) 普通語/共通語