2020年3月31日上海は転換期を迎えたようです。1月末から始まった引きこもり生活ですが、ここに来て大きな変化が生まれた瞬間を肌で感じました。上海は終息により近づいたようです。

また今まで身近で起きた中国の取り組みを整理してご紹介します。少しでも日本の自衛に役に立てばと思います。ここに来ても自覚が欠落し他人事の日本人も多いですが、日本も早く終息して欲しいです。

中国の日本へのマスク支援の広がりと中国マスク販売事情

3月30日ECサイトで販売されるマスクの種類がカナリ増加中。日本へ中国からマスクの支援が広がっていますが、マスク支援のニュースの増加と共に中国で販売しているマスクも通常販売になっています。

中国国内の感染低下、マスク購入に余裕が生まれたからこそ、日本に対して支援しているんだと思います。

ただ支援先が県や市などで、市民に届けられるより優先度として医療機関が対象という報道が多いように見受けられます。そんなニュースが気になり姉夫婦にマスクの備蓄状態を確認してみました。

姉夫婦は重度の花粉症。1月の時点でマスクは花粉症対策で購入済みだったのですが、まだ一ヶ月くらいはマスクの在庫はあり、使い捨てマスクを洗って延命措置を取りながら利用しているとの事。ただ日本の在庫切れがいつまで続くか分からないので、花粉症の季節を乗り切れるか不安がっていました。

政府から月6億枚の製造との話もありますが、これもやはり優先度は医療機関が先でしょうから市民の手に届くのはまだ先でしょう。

3月末の時点で中国のマスク価格帯は通常の3倍くらいで推移中。防塵タイプは5倍から10倍。防塵タイプでなくても十分花粉を防げるそうなので中国からマスクを送る手配を始めました。

購入は花粉防止の文字があり、購入者数が多く、評価が良く、価格帯も常識の範囲と思える品を三種類ほど注文することに。

購入数が少なく評価が高いと信用できません。久しぶりの製品の再販売なので商品クオリティにバラツキがある可能性もあります。品質が良ければ再購入も可能です。

日系クリニックが本格的に再開

3月31日WeChatに「診療を再開します!」のメッセージが浦東にある日系クリニックより入りました。

ただ歯科医と同じで「新型コロナウイルス感染対策期間中は通常診療と異なる」の文字も。通常は空きがあれば飛び込み診察も可能なのですが完全予約制、電話かメールでの予約のみ。発熱の患者の診断はNGで外国人対応可能な医療機関での受診とのこと。

歯科医と同じでパスポート持参で入国印の確認、自動ゲート利用時はEチケット半券など所持が必要との事。※紛失されている、廃棄している場合は、要相談になると思います。

ここでも「随申码」が必要などの条件が表記していました。

いずれにしても歯科医に続きクリニック系も限定営業ですが再開。また一つ上海は通常の生活に近づいた感じがします。

ついに配達員の小区への入場許可が出る

3月31日お昼ごはんに気分転換を兼ねてテイクアウト手配。味見をしようと近所にできた「ビャンビャン麺」を注文してみました。

テイクアウトアプリは配達スタッフの体温が表示。表示される体温が本当なのかは別として、こんな時の素早い行動は中国らしいです。

2月より2ヶ月の期間、小区内の配送スタッフ入場が禁止状態です。注文した品は小区の入り口へ取りに行く必要があるので、配達員の位置情報を確認してマスクを付け取りに行く準備をしていると「リリリーン」と鳴るチャイム。

「あれ?」と思ったのですが配達スタッフが我が家まで届けてくれたのでした。

「今回は偶然?」麺をすすりながら考えたのですが、夕方に昨日注文した1種類のマスクが小区内の配達BOXに届いたとショートメッセージが。

上海市内の配送と言え、2ヶ月内で一番早い。物流もカナリ正常運行になっています。

近所のスーパーに飲料水や調理油を配送注文して再度確認。自宅まで届けてくれた配送スタッフ。やはり小区内の入場規制が解除されたようです。

愛想もなく大声で部屋番号を叫び荷物を自宅へ届ける配送スタッフが2ヶ月ぶりに玄関前に現れた。新鮮に映った瞬間でした。

今週末は「清明節」と呼ばれる墓参りの季節で中国は3連休。墓参りも禁止通知が出ていたのですが、この状況を見ると、墓参りも許可が降りるかも知れません。

マスクの正常販売(通常より高いけど)、病院の再開、小区の入場解除。自分の身の回りの環境で言うと、ほぼほぼ通常の生活環境に戻った様子。

自宅周辺の状況だけで判断するのは時期尚早かも知れませんが、中国上海に限って言えばコロナの抑え込みが終息に向かっているのかなと思われます。

中国で行われた身近なコロナ対策

皆さんのお住まいの街の対応を確認してみてください。私は中国在住のため日本の状況は日本のニュース、友人知人のSNS情報のみです。発症後の中国のここ2ヶ月の対応と発症後の日本の対応を比較してください。

不安を煽っている訳でありません。お住まいの地域で対応がない場合は、危機感を持って自分自身で限られた自衛をするしかないからです。

マスク着用率はどのくらいでしょう?

春節前の1月20日前後から3月末の状況で中国上海はほぼ100%。高齢者など一部が着用をしない状態になっていますが、公共交通機関では100%着用しています。

各施設で検温チェックはしていますか?

中国の役所など行政施設、地下鉄、ショッピングモール、市場、マンションの入り口で体温計やサーモグラフィーを使った検温を実施しています。

体温が高いと入場はできません。マスクを着用しないと入場できません。

発熱=コロナではありません。無症状もあります。他人への感染を考えると、このような点を判断材料にするしかありません。

テイクアウトや宅配の受け取り方法は?

テイクアウトサービスや宅配の荷物の受け取りはマンション内ですか?入り口までですか?

テイクアウトスタッフが媒介元になる可能性もあります。マンション内の侵入は中国では二ヶ月以上も禁止でした。受け取りはマンション一階の入り口。または入り口に設置された棚に置く仕組みになっています。

もちろん配送スタッフは毎日検温の上、作業にあたっています。

公共バスは窓開閉の状態で運行していますか?

中国上海のバスは窓全開で運行中です。運転手が一人ひとりを検温する訳にいきません。他の乗客に感染しないよう、窓を開けて運行するしか方法がありません。

県をまたがる移動制限はありますか?

中国は2ヶ月の間、省をまたぐ越境は基本NGでした。越境後は住まい近くの町内会のような「居委会」に申請。自宅にて隔離生活を送っていました。これは最近解除され省をまたぐ越境もOKが出ています。

政府から喚起を促す連絡がありますか?

毎日のように上海市政府からショートメッセージが通知され、外出するなと注意喚起を受けていました。

カラオケや映画館は禁止

多くの人間が集まる、飛沫感染の恐れがあるカラオケや映画館は禁止となっていました。

実際に上海ではカラオケ店での感染報告があったため。映画館は3月末の時点では上映開始しているようですが、このタイミングで足を運ぶ人は少ないと思われます。

所定場所からの隔離措置

海外からの入国では空港から政府指定のバスで移動や一定期間の隔離措置が取られていました。

私は上海在住のため、上海の状況を中心に伝えていますが、ほぼ他の省でも同じような対応を同じタイミングで対処していたと思います。

今回ご紹介した中国の取り組みはまだまだ上海では感染が少なく湖北省武漢で発症が多いとわかった1月下旬の時点で、全国的に始まり今でも継続している対策です。※配送受け渡しは解除され正常稼働になっていますが。

実際の発症者数に差異があるとかは問題ではなく、日に日に増加する発症者を防ぐために日本は統一した動きをしているのか?封じ込めを真剣に考えているのかという点です。

全国が一斉に同様の対応を取って初めて強固な封じ込めが実現するんだと中国の対応を肌で感じて思っています。各県単位でばらつきのある対応で果たして効果的な抑え込みができるんでしょうか。

私は医療関係者でもありませんし、専門家ではありませんが、中国での体験と比較しても、感染の抑え込みが長引かず終息に向かうのか、日本の動向を見ていて心配で仕方がありません。

SNSで見る日本人の動向

桜の開花と舞い散る雪。例年は見られない風景に小躍りするカメラ小僧。外出して撮影した桜と雪の写真をSNSにアップ。関東だけど東京じゃないという判断なんでしょう。

よちよち歩きの子供を背負って散歩がてら、ちょっと一時間ほど春の様子を撮影する撮り鉄。免疫力の低い幼い子供に感染した時、自分の行動を猛省しても取り返しがつかないと思います。

自分は我慢しているのに、他の人がSNSで発信すれば悔しくなります。私が自宅で我慢しているのに。他人が外出しているなら、私も少しぐらい外出しようか。心が揺れてしまいます。

長崎では桜の名所に集まりBBQをする複数の子供連れの家族たちが紹介されていました。

人も少ないだろうし子供も遊びたいし大丈夫だよ、とお互い理由と勇気づけて子供を連れてお花見をしたのでしょう。

桜が開花したと報告する長崎の役所のSNS。それをシェアするWEBメディア。役所が開花を宣言し紹介、WEBメディアもネタが欲しい。影響力のあるメディアが助長すれば市民は足を運びたくなるものです。

長崎駅は数十年ぶりに新しい駅に引っ越しました。そうすると旧駅舎の最後の一枚と新駅舎の最初の一枚を撮影しようと集まる撮り鉄。

東京で起こっていることは遠い所の話で、九州の長崎とは関係の無い話と思っているのかも知れません。

自粛のみで強制をしない日本は平和で自由、人権が守られている証拠かも知れません。裏を返せば本人の自覚で成り立っています。中国のような強制的な規制が少ない以上は、一人ひとりの行動抑制が一番重要という事です。

私はお金も大大大ー好きです。お金は生きていて働けばなんとか稼げます。ただ命は私には一つしかありません。頑張ってもどうしようもないです。

こんな私にも心配する人が少しはいます。みなさんも心配してくれる人が周りにいるのではないでしょうか。また自分が大切に思う人が周りにいるのではないでしょうか。

自分だけのためでなく、他人のためにも大人しく生活してください。

揚げ足を取る、くだらない言い訳、自分勝手な解釈を作って行動しないでください。素直に指示に従うことが恥ずかしいとか天の邪鬼な行動を取らないでください。

結局自宅で引きこもってたら、なーにも起こらなかったじゃないか!と、あとになって笑ったり怒ったりして話しましょう。

みなさん、1週間前にお昼に何を食べたか覚えていますか?私は覚えていません。そんな前の事なんて、多くの人が事細かに覚えていません。

2週間前から今までの立ち寄った場所を全て覚えていますか?仮に自分自身が感染していた場合、感染経路の特定に自分が立ち寄った場所を覚えておかないと他人への感染状況が判明できません。だから余計に出歩かず経路特定をカンタンにする事も大切です。

極論ですが中国を嫌いでいいんです。発症源の国だから対応が厳しいんだと思わず、中国の珍対策をテレビで放送して滑稽だと笑って見下すのではなく、中国が真剣に行った取り組みを日本も日本流に真似て採用してください。

中国贔屓の馬鹿な日本人が騒いでると思ってもらって結構です。本当心配です。

全国で足並みの揃わない日本を見ていると中国以上の発症者を生んでしまわないか、日本人が大切に思う人が、これ以上奪われてしまわないか心が落ち着きません。

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