拡大が続く新型コロナウイルスですが、武漢発症では?と日本でもニュース報道があっていると思います。中国渡航歴が無い方からすると、そもそも「武漢」がよく分からないという日本人もいるかと思います。

今回は武漢の基本情報を中心に上海の現状をご紹介したいと思います。※関連記事「湖北省武漢で発生したウイルス。武漢出張準備で考えた心構え

武漢の基本情報

武漢は湖北省の省都。人口は1108.1万人。湖北省の人口は5917万人と言われ、湖北省に対して武漢の人口の占める割合は18.7%。武漢の面積は8569.15平方千米となっています。

中国でど真ん中とまで言いませんが中心の場所にあるため、中国各地に行くにも便利な場所となっています。

武漢と日系企業

武漢には「东风汽车集团有限公司」と呼ばれる中国4台自動車メーカーの一つがあり、ホンダ・日産はそれぞれ「东风汽车」と合弁企業を設立。そのため各メーカーのサプライヤーの多くが武漢ならびに周辺の都市に進出しており、日系企業が多く進出しているエリアとなっています。

武漢日本商工会のWEBサイトによると20年1月現在で157社が加盟。当然加盟していない日系企業も多くあるかと思います。湖北省は中国でも日系企業が多いエリアの一つに数えられます。

武漢の病院

武漢市には「三甲医院」と呼ばれる病院が36箇所あるようです。三甲医院とは「三级甲等医院」の略称。一番上のランクが三甲、その下に三乙・・・一甲と条件に応じてランク分けされています。武漢には三甲ランク以外の病院も多くあります。

「三甲医院」の条件として、一定数のベッドがある、薬剤、放射線、手術施設など設備条件が整っていること、内科や外科など指定の科が整っていること、人員の数や看護師の割合など条件を満たしていることなど、厳しい条件をクリアーした病院に対して呼ばれる称号となっています。

武漢の交通網

武漢へのアクセスで多くの人を運ぶ交通機関として鉄道、バス、飛行機が主力として運行。市内運行にはフェリーもあるようです。

高鉄と呼ばれる中国新幹線を利用して上海からアクセスする場合は「汉口」「武汉」「武昌」の3つの駅へ高鉄が停車しています。同じく武漢からは主にこの3つの駅から全国各地へと運行しています。

閉鎖となった武漢の海鮮市場は報道を見ると「武汉华南海鲜批发市场」と呼ばれる場所のようですが、利用者の多い「汉口站」と600メートルと目と鼻の先にある海鮮卸市場。現在は臨時閉鎖中。

上海と武漢間の移動は高鉄の早い便で4.5時間、通常は5.5時間程度で到着。上海と武漢は830キロ程度の距離となっています。

武漢には「武汉天河国际机场」と呼ばれる国際空港があり、上海と武漢は飛行機も運行しており約2時間のフライト。

国際空港という名前からも分かる通り日本をはじめ、全世界へ運行しています。百度百科と呼ばれる中国版ウィキペディアでフライト情報を確認したのですが、以下の海外へ運行をしているようです。別途、季節運行あり。

【日本】福岡、大阪、静岡、名古屋、成田
【韓国】ソウル
【インドネシア】バリ島、ビアク島
【マレーシア】コタキナバル、ペナン、サバ、クアラルンプール
【タイ】プーケット、スラータニー、チェンマイ、ドンムアン
【カンボジア】シアヌークビル
【ベトナム】ニャチャン、ダナン
【香港】香港
【マカオ】マカオ
【台湾】台北、高雄
【シンガポール】シンガポール
【ミャンマー】マンダレー
【モルジブ共和国】マレ

【アメリカ】ニューヨーク、サンフランシスコ
アンカレッジ【アラスカ】

【アラブ首長国連邦】ドバイ
【トルコ】イスタンブール

【オランダ王国】アムステルダム
【フランス】パリ
【イギリス】ロンドン
【イタリア】ローマ

【ロシア】サンクトペテルブルク、モスクワ
【カザフスタン共和国】アルマトゥイ
【オーストラリア】シドニー

武漢の地下鉄情報

武漢市内の移動には現在、地下鉄がよく利用されています。現在も市内は地下鉄工事の真っ最中。私も出張時はよく地下鉄を利用していますが、武漢市内は非常に広いため1時間ていどの移動は当たり前です。

現在運行している地下鉄は1号、2号、3号、4号、6号、11号、武汉阳逻线线と呼ばれる路線の7路線が稼働しています。

武漢の海鮮市場がなぜ閉鎖となったのか?

武漢の海鮮市場が現在閉鎖されていますが、海鮮が危険なの?と思いがちですが、何が原因であったのか、実際に海鮮市場が原因の場所だったのか解明されていません。

私は「武汉华南海鲜批发市场」を訪問した経験はありません。ただ中国の海鮮市場は海鮮以外に食材として生きた爬虫類や猛禽類を扱っている場合も多く、「武汉华南海鲜批发市场」でも扱っていた可能性は十分にあります。海鮮よりも爬虫類や猛禽類が影響した可能性もあるかも知れません。※不明となっていますが「蛇」または「コウモリ」が感染源ではないかと言われています。(1/23 16:30加筆)

上海の現在の状況

記事を書いている本日2020年1月22日の上海は雨。春節前ということもありシャッター店舗が多くなりはじめ、テイクアウトサービスのスタッフも徐々に少なくなり、オーダーしてもいつもより時間がかかり始めています。

私自身は人混みを避けて自宅で仕事をしています。近所に買い物へ行くと街を歩く人達が先週に比べてマスク着用者が多くなっているのが、肌で感じられるようになっています。

ネットでマスクを注文したのですが春節前ということで2月2日以降の発送予定。ただし注文が多くなっていることも想定され、注文が遅延する恐れもあります。

日本のアマゾンでもマスク情報を調べたのですが、一部商品は2月2日以降入荷となっており日本でもマスク購入者が増えているように感じます。

上海在住の中国人スタッフは田舎から両親が高鉄に乗って上海に来る予定だったそうですが、不特定多数の乗客と接触は何があるか分からないとのことで、自家用車で移動するとのことでした。

写真は全く別日に撮った上海虹橋駅の写真ですが、春節の時期にはこれ以上の市民が帰省を行い移動をします。どんな人がいるか分からない人混みへは立ち寄らない事は非常に大切な行為です。
上海虹橋駅の様子

上海にあるクリニックからの通知

上海には日系クリニックがありますが、以下条件を満たしている方はクリニックで受診できず、発熱外来のある医療機関で直接受診をするよう通知をしていました。

●37.3度以上の発熱がある方
●発熱、呼吸器症状のある方で、発症前21日以内に中国湖北省武漢市への渡航歴がある方
●発熱、呼吸器症状のある方で、発症前21日以内に新型肺炎様症状患者に濃厚接触された方

基本の予防になりますが、マスクを付ける、人混みを避ける、手洗いをする。手洗い同様顔洗いも有効とのこと。

ヨーグルトやきのこ類などを摂取して免疫力を付けることも大切だと思います。新型ウイルスはもうしばらく続く可能性が高いですが、しっかり予防して節度ある行動を行いましょう。

2019年夏頃の武漢の市外の様子(動画)

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