どの位、普通語と違いがあるか良い事例かと思います。
聞き分けて貰えれば、その差は歴然では無いでしょうか。

中国で一般的に使われている「普通語」と各地にある「方言」。
「全く違うんですか?」と聞かれる事があるのですが、
質問する側はそもそも「今、話されている言葉(音)が普通語の音か認識できない」ので、
音の違いが分からず、このような質問をしてきます。
関連記事「何ナニ?中国語って普通語?北京語?普通語/共通語【普通话】」

私も留学の頃、その差がさっぱり分からなかったので、その気持ちよく分かります。

また「普通語と方言って日本語に置き換えると、どのくらい違うんですか?
語尾やイントネーションが違うくらいですか?」そんな質問を受けることもあります。

「各地によりますが基本的に語尾もイントネーションも全く違いますし、
聞き取りが出来ないレベル」と伝えるのですが、
一番良いのは「同じ意味の中国語を普通語と方言で聞き分けてみる事」と思っていました。

何かいいアイデアは無いか考えていたのですが、
バスに乗っていて良いことを思いつきました。

現在上海のバスや地下鉄では普通語・英語・上海語で車内放送をしています。
バスの中で流れていた同じ意味の普通語と上海語の放送を録音してみました。

まずは以下の音源を聴き比べて下さい。普通語と上海語の音源が聞けます。

何処までが普通語なのか分からない方もいると思いますので、
普通語と上海語、それぞれ音源を分けてみました。

どうですか?音が全く違うのが分かると思います。
意味は同じなのですが、普通語と上海語ではこのくらい違います。

ちなみに中国語の意味はこんな感じ。

请给需要帮助的乘客让个座,谢谢。
qǐng gěi xū yào bāng zhù de chéng kè ràng gè zuò xiè xie
助けが必要な乗客には席を譲って下さい。ありがとうございます。

最後の「谢谢」を聞くだけでも、全く違いますよね。

この上海語の例と同じで各地の方言は全く音が違います。
そのため方言を話して相手が方言を理解すると仲間意識が芽生え、
分からないと少し距離を置いたりと、方言で判断を下す事も。

仕事場で電話をかけ始めた上海人がまずは普通語で話をし始め、
途中から上海語に切り替わったりすると、「あっ!本気になった」と、
勝手に思ったりします。

雲行きが怪しくなったりすると言葉が切り替わり「私も上海人」と相手に分からせたり、
逆に仲良くなると上海語に切り替わったりと、うまく方言を活かして交渉を始めます。

もし相手の中国語が分からなくても方言や訛りがひどく聞こえない場合もあるので、
シュンと落ち込まず、「方言を話されているかも」と思ってみる事も大切です。

今日の振り返り!中国語発声

方言 (fāng yán) 方言

上海话 (Shàng hǎi huà) 上海語