15年目で初めての出来事でした。長く住んでいると色んな経験できますよね。ある意味記念なトラブルでしたのでご紹介。

中国生活で一年に一度のお約束。今年もやってきたビザ申請延長作業。例年のように資料を準備して派出所を訪れて何事もなく粛々と完了。後はパスポートにビザ発行をしてもらうだけ!と思った瞬間、落とし穴がありました。

毎年恒例のビザ更新

ちなみにビザ発行は1週間ほどで完了。発行のため一旦パスポートを公安局出入境管理局センターに預けます。

提出すると「外国人签证证件受理回执(wài guó rén qiān zhèng zhèng jiàn shòu lǐ huí zhí)」と呼ばれる「引き換え書」をもらえるのですが、この「引き換え書」があれば、中国国内での移動時の身分証の代わりに利用できます。

受け取った資料を見て直様気がついた異変

仕事の都合で中国人スタッフに資料提出の依頼をしていたのですが、会社で渡された「引き換え書」を見た瞬間にすぐに異変に気が付きました。

この「引き換え書」にはパスポート情報、申請情報、そして本人写真が印刷されているのですが、この印刷された写真が私ではない別人の写真だったのです。いや、別人の写真って。。。
ビザ引き換え書

時代と変わってきたビザ更新の歴史

今まで14回行ってきた申請作業。時代とともに提出準備の作業も遍歴がありました。05年から17年頃までは申請資料用の写真は持参。持参した写真は「引き換え書」に糊付けされて返却されていました。

その後は出入局管理のデータベース内で管理されている申請写真の画像が印刷されるようになり、写真準備が不要になって便利になりました。それなのにどうして他人の写真が印刷されてしまったのか?

どうも昨年の申請以降またシステムがバージョンアップしたようで、申請時に持参したパスポート写真を窓口業務時にスタッフがスキャンする運用に変わったようなのです。

つまり今回申請写真が他人の写真になっていたのは、私の申請時に誤って他の日本人のパスポート写真をスキャンしてしまったようなのです。※今回の申請に立ち会ってないのであくまで推測ですが、ほぼ間違い無いでしょう。

写真違いは良いとして、頭によぎったトラブル事項

この推測を元に3つのトラブルが頭をよぎりました。

1つ目、「引き換え書」の写真画像を受領時に最終確認していないので、コチラ側の不備扱いになる恐れがある点。そして申請データの間違いは公安側の保存データの食い違いに繋がるので、その後何かと面倒な事になる恐れがあるかも知れません。

2つ目、発行されるビザはパスポートに貼り付けられるのですが、今回画像が誤っているという事は私と誤った画像の人物のパスポートが入れ替わった状態になってしまわないか?という点。

そして3つ目、私はパスポート申請中の期間に泊りがけの出張が入ってしまった事。赤の他人が印刷された「引き換え書」を持って高鉄とホテルの身分チェックを問題なく通過する事ができるのか?という、足止めを食らった際にどう考えても説明が面倒くさそうな出来事が起きてしまいそうな予感がしたのです。

そもそも申請担当したスタッフも画像の違いに気がついて無く(というか写真まで見ていなかったと思うのですが)本人曰く「うーんジンダオの若い頃の写真かと思ったと」若くしたらこんな顔になるの?と終始微妙な回答。起きてしまった事を攻めても意味がないので、さっさと次の手を考える事に。※相手のメンツにも関係しますんで。

慌てて連絡するも翌日対応

「引き換え書」の画像違いが分かったのが夕方の16時半。公安局は17時までなので慌てて電話で確認するも「再訪して下さい」との事で、翌日別スタッフを引き連れて現場へ足を運んでみることに。

イレギュラー対応には慣れっこなので、こんな時は自分で訪問した方が判断しやすいです。

いつもの申請窓口とは別のお問い合わせ窓口に並んで事情を説明。やはり最初の一言目に言われたのが「受け取った際に確認しなかったの?」の言葉。

代行したので未確認でしたと伝え、本人と「引き換え書」の写真が違う点をスマホで撮影していたパスポート写真を見せて理解をしてもらい、「引き換え書」を渡して待つことに。

どうもイレギュラーな出来事だったのと、多くのパスポートを預かっているので探し出すのに時間が必要だったようで、30分ほど待たされ戻ってきた窓口スタッフ。

「今回は見つからず、明日以降見つかったら連絡しますんで、連絡先を教えて下さい。」と説明を受け「こりゃ参ったな。長期戦だな」と思っていると、パスポートが入った封筒を持った別スタッフが駆けつけてくれました。

どうやら数名で探してくださったようで、ギリギリセーフ!その場で対応が可能となりました。この辺の対応も良くなりましたね。

受け取ったパスポートを再確認

持ってきて下さった封筒に入っているパスポートをまずは確認。パスポートは間違いなく私の物でした。懸念点の一つ目クリアー。

窓口スタッフも再度パスポート写真と「引き換え書」の画像を確認して違いを認識。次に指示を受けたのは、同じ階にある撮影用のインスタンドカメラでの写真撮影です。

指示された場所に足を運ぶと街なかにある身分証用のインスタント写真撮影機があり、そこでパスポート番号を入力して写真撮影するとバーコード付きのレシート紙が印刷。

レシート紙を窓口に再び持って行くと「引き換え書」に印刷されたバーコードと、レシート紙のバーコードをスキャン。

スキャンが終わると再度私の画像付きの「引き換え書」が発行され無事に処理終了!!同行したスタッフは窓口で待機させ、私は撮影。そうしないと順番が後回しにされるので、こんな時はペアの対応が理想です。

引き換え日が遅れるかな?と思ったのですが、期日変更もなく何とか15回目の申請作業は終わりを告げたのでした。

人的ミスで起きた珍しい事件

窓口スタッフに質問してみたのですが、やはりパスポート画像スキャン作業に切り替わったようで申請時の窓口で誤って他人のパスポートの写真をスキャンした可能性が高いようでした。

システム的に間違えているなら、私以外にも多くの申請者が同じ問題になっているので、人為的なミスだった可能性が大。

一回スキャンした画像は来年からスキャンなしで利用するのか、毎年窓口でスキャンするのかその辺は不明ですが、取り敢えず無事作業完了となりました。

頭をよぎったパスポート違いも発生していませんでしたし、「すぐに確認しなかったの?」とやはり注意を受けました。新しい「引き換え書」のお陰で、出張で起きそうな面倒も未然に防げました。終わりよければ全てよし。

結局一時間ていどで処理を終えましたが、初めてのイレギュラー問題で少々ヒヤリとした今年のビザ申請。やはり最後は目視チェック!他人任せはいかん!申請時はこんな落とし穴も潜んでいるのでご注意下さい。

しかし「違った写真の人物と会ってみたいなー」なんて思った思い出に残る今年のビザ申請でした。