お仕事でお付き合いのある会社の交流会に誘われ参加した時の出来事でした。
食事会の乾杯時にスタッフ紹介時に、私個人としては衝撃的な紹介があったのです。

「この中国人のスタッフ、一度会社を退社したのですが、
縁があってまた戻ってきて働いてくれる事になりました」と紹介が。

「退社した中国人が再び元の職場に戻ってきた」
この部分が私にとって驚きだったのです。

日本人は転職する方は中国人に比べ少ないと思いますが、
日本では再就職先として以前務めていた会社に戻ってくる事を、
「他の会社で力をつけて再び会社に戻ってくるは良いことだ」等の理由で、
推奨している会社もあるようです。

元々の会社の知識もあり入社後は即戦力になる訳ですから、
再雇用するのは会社にとってもメリットがあり、
馴染みのスタッフがいて馴染みやすく再雇用される側にとっても、
メリットが高いのが分かります。

前回「日本人には分からない転職を繰り返す中国人の心理とは。」で、
ご紹介した通り、中国人の転職は日本人に比べて非常に多いのですが、
「転職後に元の会社に戻る」という行為は非常に稀なのです。

雇用側と雇用される側、お互いメリットがあるにも関わらず、
なぜ転職後に再び元の会社に再就職するのが少ないのでしょうか?
「転職とは前進すること」「中国人のメンツ」「同僚からの声」が影響しているようです。

スポンサーリンク

「転職とは前進すること」

転職とは過去の職場よりも給与や役職、権限などアップするため行う事。
彼らにとっては前向きな事であるため、元の職場に戻る行為は後ろ向きな行為。
基本的に考えられないのです。

いやいや「元の会社」が良い条件を出す事だってあるでしょ?
確かにその通りなのですが、次は「中国人のメンツ」と関係するのです。

「中国人のメンツ」

「転職は前向きな行為」という考えがあるため、元々の職場に戻る行為は、
中国人のメンツからすると恥ずかしい部分があるのです。

私の友人で転職して会社を立ち上げたものの失敗。
家族を養うため渋々元々の会社の友人を頼って同業種に戻り仕事を始めたのですが、
「家族のため。恥ずかしいし悔しいし早く転職したい」と漏らしていました。

同業種に再就職をする行為は同業種の知り合いに就職した事が分かります。
そうすると業界内で噂話が広がり、前職で失敗した等の話が漏れてしまうのです。

「能力が無いから失敗した」、「能力が無いから元の職業に戻った」等の
陰口を言われる可能性があり、メンツを重んじる中国人からすると耐え難いのです。

メンツを気にする中国人、元の職場や業界に戻る場合は、
それなりのメリット(好条件)や建前、覚悟が無ければ非常に難しい行為なのです。

スポンサードサーチ

「同僚からの声」

先ほどの業界内での噂話に関係するのですが、元の職場に戻るという事は、
元同僚と対面をする訳ですから「先ほどの噂話が更に大きく取り上げられる」のです。

元の職場に復帰すると役職、給与など条件面のアップした情報は社内に広がりますし、
社内で復帰したスタッフに対しての「どうして復帰した」等の情報は拡散する訳ですから、
メンツを気にして元の職場には戻って仕事をしたくは無いのです。

このような背景があり「元の会社に戻って働く」という行為をする中国人を見ると、
「この中国人、覚悟があるな。やるぅ~!」と思ってしまうのです。

またこの復帰の交渉を成し遂げた日本人を見ると、
先ほどのような中国事情を重々承知した上で交渉している訳で、
なかなか難しい交渉を達成した日本人の方を見ると「中国人をよくご存知だなぁ」と、
勝手に感心してしまいます。

社交辞令としての挨拶として必要なのも分かりますが、
退職する中国人に対して「また戻っておいで」なんて軽々しく声を掛けると、
日ごろからの中国人に対しての対応も含めて彼らは見ている訳ですから、
「やっぱりこの日本人は何にも中国人の事を理解していない」と思われてしまうのがオチです。

日本的な挨拶のつもりで「戻ってこい」と声を掛けて、
「中国に対して理解不足の日本人だなぁ」を思われてしまうより、
「辞めない仕組み作り」が重要なのではないでしょうか。