中国で爆発的に人気を伸ばしている「シェア自転車」ビジネス。
先人を切った「摩拜单车(mó bài dān chē) モバイク」に続く形で、
上海では後発隊のメーカーが次々と参入。

そのため街はシェア自転車で溢れかえっている状態。

このサイトでもサービスが始まり出した昨年の8月より、
乗り捨て自転車の上海での動向をご紹介していたのですが、
ライバル各社が現れる中、サービスの価格帯は、
1元から0.5元、現在のメーカーは「無料」の文字も並び、
飽和状態になってしまった中国市場。

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そもそも中国でコレだけ爆発的にシェア自転車が流行った背景は何故でしょうか。
個人的には中国らしい複数の要因があったからと思っています。
・精度の高い地図アプリケーションが普及した点
・フリーWi-Fiやネット環境が格段に良くなった点
・身体を動かそうとする健康思考な中国人が多い点
・ガラゲーを捨てスマホの普及率が高い点
・WeChatやAlipayの普及で電子マネーの利用が標準になっている点
・手軽な価格設定でマイ自転車は不要と思わせた点
・マイ自転車を持っていても高い頻度で盗難に遭う点
・何処にでも自転車の放置がOKな点
・安価な地方労働者を確保して人海戦術で回収作業、配置作業が行える点

この爆発的な人気の「シェア自転車」が実は海を越えて、
それも日本で!サービス提供を開始するようです。
ニュースによるとモバイクが福岡市と共同会見を行い法人設立。

日本と中国、国も違い法律も違うため同様のサービスが提供できるのか、
不明確な点がありますが、今後のモバイクの動向に注目です。

時を同じくしてNTTグループも「株式会社ドコモ・バイクシェア」を設立。
こちらもシェアバイクの会社なのですが、中国でのサービスとは少し違い、
日本らしいサービスの提供になるようです。

自転車はポートとよばれる所定の自転車置場へ最終的には返却。
好き勝手に放置はNG。中国のように何処にでも乗り捨ては日本では出来ませんよね。

決済はクレジット登録やおサイフケータイ、スイカ等の交通系ICカードが対応。
中国のようにWeChatでQRスキャン、決済もWeChatで。という訳には行かないようです。

日本でビジネスを開始するモバイク。
「株式会社ドコモ・バイクシェア」との差別化はどうなるのでしょうか?

そして中国らしい乗り捨てサービスは可能なのか?
中国のシェア自転車の最大のポイントは、好きな場所に乗り捨てが出来る点。
その結果、街中にシェア自転車が散らばっているので、
所定の駐輪所など気にせず利用が開始されるのです。

先にも書きましたがその代わり好き勝手に止めた自転車は、
新たに多くの利用者を獲得するため、
中国では深夜に「人力」で地下鉄の出口など利用客が多い場所へと移動され、
地下鉄を下車した乗客が気軽に使っているのです。

この辺の人海戦術はコスト的に日本では難しいように思うので、
所定の場所へ利用者が返すという「性善説」を元にした、
サービス提供が日本版の着地点になるのかも知れません。

またWeChatなど電子マネーで手軽に決済が出来る点は、
日本の場合ですとLINEを使った決済の普及はWeChat並とは行かないため、
「株式会社ドコモ・バイクシェア」と同じような決済モデルになるのでは無いでしょうか。

日本に上陸した「モバイク」本家中国と何処まで同じサービスが提供でき、
日本流に変化をするのか、この辺もキーポイントになりそうです。

今日の振り返り!中国語発音

摩拜单车 (mó bài dān chē) モバイク

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