7月を迎えた上海の市民生活でホットな話題と言えばゴミ分別問題。上海でもゴミ分別が始まったのです。正確に言えば今までも「湿垃圾」と「干垃圾」と呼ばれる「生ゴミ」と「回収ゴミ」の分類に分けたゴミ回収は行われていたのですが、まーざっくばらんな分け方だったんでしょう、7月から更に「有害垃圾」と「回收垃圾」が新しくゴミ分類に登場となりました。

上海に住む中国人の友人もWeChatのモーメンツ上でゴミに関するネタ記事をアップする人が多く、見ているだけで関心の高さがよく分かります。友人がアップしていた画像では冗談半分に上海で外出(旅行も含め)必要だ。という一言と共にアップされていた画像は、腰にそれぞれ分類用の小型ゴミ箱を携帯していたり、アリペイのアイコンの中にゴミ分類指南が登場した。などゴミネタがアップ。
上海のゴミ分類事情

また分類分けに慣れていない中国人のために、豚を使った以下のような分類指南も登場。

猪都能吃的 湿垃圾
zhū dōu néng chī de shī lā jī
豚が食べれるのが生ゴミ

猪都不要吃的 干垃圾
zhū dōu bù yào chī de gān lā jī
豚が食べたれないのが回収ゴミ

猪吃了会死的 有害垃圾
zhū chī le huì sǐ de yǒu hài lā jī
豚が食べて死ぬのが有害ゴミ

可以卖了换猪的 可回收垃圾
kě yǐ mài le huàn zhū de kě huí shōu lā jī
売って豚と交換できるのが、回収ゴミ

中国人の笑いのツボにはドハマリのようで、中国人の友人に見せたら大笑いしていました。半分分かりやすく、半分は何となく政策を小馬鹿にしているのかも知れません。

ちょっと誤解があるといけませんが、今までも「湿垃圾」と「干垃圾」の分類分けや、「干垃圾」の中には衣類だけを分けて回収と、今までも分類分けがあったのですが、細かく分けなくても罰則も無かったですし、正直分類しなくても「ごみ集めおばさん」が街の至る場所にいて、ゴミをあさり売れそうなゴミを自動的に分類する仕組みがあったのですが、最近の中国は資源ごみが売れにくくなったのか、ごみおばさんの数もめっきり少なくなってきています。

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昔はゴミ回収場にゴミを出しに行くと、回収場に待機しているオババが手をかざして「ゴミ袋をワシにくれ!」とダイレクトに言ってくるので、「ひぇー」と内心気持ちが萎える事もあったのですが、最近はゴミくれ!のやり取りもめっきり減ってしまいました。その場でゴミ袋を破って中身を物色される怖さも過去の話です。。。

なお今回から新しく罰則が登場し、正しく分類しないと200元の罰金を徴収するとの事。どうやって罰則するのよ?と思われるかも知れませんが、7月以降に見かけた街の様子でその理由が分かりました。

上海の街で見かけたゴミ回収場所に佇むオジサン。首をツッコミながらゴミをガサガサ。「ゴミ集めおじさん?」と思ったのですが、この制服はゴミ回収員の洋服。どうやら定期的にゴミ分類が正しいかチェックし分類が誤っている場合は、仕分けをしているようでした。

として写真の左上にあるように、監視カメラが取付けられている場所もあり正しくゴミ出ししない市民はバッチリ撮影されているのです。これだと罰金も徴収しやすいですね。ゴミ回収場まで監視カメラでチェック! 基本毎日ゴミ回収がある上海、何時に出しても良いため、こうでもしないと罰金なんて無理ですよね。

街中に目をやるとゴミ分類指南やゴミ条例について規則について説明や、分類していないゴミは回収して運びません!と宣言ポスターが貼ってあり、ゴミについての意識を改革しつつある上海の街。


ちなみについ先日、自宅の仕事用液晶画面を買い替えた際に、まだまだ利用できる液晶画面の処分は自宅敷地中を清掃しているおばさんを呼んで引き取らせました。この清掃おばさんは敷地内の清掃活動の傍ら、住民が不要になった家電製品を回収して転売する仕事も副業としているので、呼んであげると喜んで回収に来てくれます。

引取料として数十元くらいお金を貰えると思いますが、交渉も面倒、自宅に置いていると場所を取る、回収場にもっていく手間も省けるので、無料で差し上げると非常に喜んでくれます。無料でくれるいい人と思ってくれれば、何かあった時に声もかけやすいですしね。

引き取り値が高い家電回収循環システムは未だ健在。以前はペットボトルなど喜んで回収していましたが、回収価格の低下もあり今はあまり率先して引き取ってくれません。収益目的にゴミ仕分けをする人がいなくなっている状況ですから、市民が仕分けしてゴミ出しをしないと焼却する際に困るんでしょうね。

今、中国ではゴミについてこんな形で意識改革を始めたばかり。日本の中国人旅行客がゴミを投げ捨てる、ゴミ分類しないのは、ゴミ分けの文化や風習、規則などがあって無かったような状態。意識が高く従順にルールを守る日本人と比べると意識が低く映るのも仕方がありません。

今から意識改革やルールの徹底が始まるので、日本とは違うベクトルで社会生活が成り立っているという点も頭の隅に入れておいて欲しい所です。が!今すぐ意識改善がなされるという訳でありませんので、旅行客にはご注意下さい。